「うちは人数が少ないからExcelで十分」
そう思っていませんか?
実際、小規模企業では今も多くの現場でExcel給与が使われています。私自身も、実務で長くExcel給与を扱ってきました。
しかし、現場を経験してきたからこそ言えることがあります。
Excelだからこそ起きる“見えにくいリスク”が存在するということです。
今回は、実務で実際に起きた事例をもとに、給与計算をExcelで続ける危険性を整理します。
危険① 属人化する
Excel給与で最も多い問題は「属人化」です。
- 担当者しか計算ロジックが分からない
- 数式の意味を説明できない
- 引き継ぎ資料が整っていない
退職や異動が発生した瞬間、ブラックボックス化します。
「前任者が作ったシートが怖くて触れない」
これは本当によくある現場の声です。
危険② 計算ミスが見えにくい
Excelは自由度が高い分、ミスも静かに潜みます。
よくある例:
- 残業単価の計算式が一部だけ違う
- 社会保険料率の更新忘れ
- 控除項目のコピーミス
- 手当の入力漏れ
怖いのは、間違っていてもエラーが出ないこと。
気づかないまま何ヶ月も進んでしまうケースもあります。
危険③ 法改正への対応が遅れる
給与計算は毎年のように変わります。
- 保険料率の変更
- 税制改正
- 端数処理ルール
Excelの場合、すべて自分で更新が必要です。
更新漏れ=誤支給。
仕組みで自動反映される環境と比べると、リスクはどうしても高くなります。
危険④ 数式破壊・上書き事故
これも現場あるあるです。
- セルにうっかり手入力
- 数式を削除してしまう
- コピペで参照が崩れる
しかも気づかないまま振込まで進むこともあります。
二重チェック体制がなければ、ミスは防げません。
危険⑤ 時間コストが大きい
Excel給与は想像以上に時間を奪います。
- 毎月の確認作業
- 設定更新
- 手入力チェック
- データ転記
その時間、本来やるべき業務に使えていますか?
労務改善や制度設計など、本質的な仕事に時間を回せない原因になっていることもあります。
では、どうすればいいのか?
答えは「Excelをやめる」ことではありません。
大切なのは、仕組みで守ることです。
法改正対応や自動計算、ログ管理など、ヒューマンエラーを減らす仕組みがあるかどうかが重要になります。
人数が増えてきた、チェックに不安がある、作業時間がかかりすぎている。
そんなときが見直しのタイミングです。
まとめ
Excel給与は決して悪い方法ではありません。
しかし、以下のリスクを理解しておく必要があります。
- 属人化
- 計算ミス
- 法改正対応の遅れ
- 上書き事故
- 時間ロス
一度、自社の給与計算フローを客観的に見直してみてください。
次回は「給与計算で本当に多いミス7選」を具体例つきで解説します。
© 2025 Wataboushi. All Rights Reserved.


コメント